c4j輪読会 貧乏人の経済学 第3回 第5章 レジュメ
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感想:こうおもいましたyuiseki.icon
なるほどyuiseki.icon
疑問:これはこういうことか?yuiseki.icon
そういうことだと思いますよyuiseki.icon
のように書いてもらえるとわかりやすいかと思います
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スダルノさんの大家族
担当:boilingfrog.icon
サンジャイ・ガンジーは人口抑制がインドの発展計画に不可欠と確信
→60年代以来の長い家族計画の歴史。「不妊手術キャンプ」が計画の礎
1976年4月、インド内閣は全国人口政策の公式声明
(例)不妊手術への同意に対する金銭的なインセンティブ、各州に強制避妊手術法制定の権限、州への避妊手術のノルマ
→政策目標の達成 1976-77年に825万人が不妊手術。76年末までにはインドの全夫婦の21%が不妊手術
→しかし市民の反感
→1977年の選挙でインディラ・ガンジーが敗北した理由の一部と信じられる
しかし、長期的に見ると人口増加の加速に貢献→市民の国への不信感
インドと中国の一人っ子政策等発展途上国には人口政策がある
→人口増加を懸念する理由
環境に対する潜在的な影響→地球温暖化、水へのアクセス(食糧生産のために水を利用)
→個々の家族が何人の子どもを持つかを決めるときにはそうした要素は考慮されない
人口政策→なぜ一部の人がそんなにたくさんの子どもを持つのか理解が必要である
感想:
日本でも旧優生保護法において障害者に対する強制不妊手術が行われていた その結果、国への不信感という構造は反脆弱性っぽいケースだtkgshn.icon 反脆弱性気になりますyuiseki.icon
3-40年前ぐらいまでは、人口抑制がトレンドだったんですよtks.icon 人口抑制がトレンドになった理由
1. 緑の革命(農業が化学肥料と農薬のおかげで生産性が爆発した)の効果が世界に行き渡って飢える人がいなくなるのだけど、その常識変化が遅れた 2. 女性が学校に通うのが当たり前になって、それまでの「平均で4人ぐらい生む」という時代ではなくなった
3. むしろ、どの子供も12歳ぐらいまで学校に行く、女性の結婚も20歳以後ぐらいになって、どの国でも少子化が問題になりはじめた なので、抜本的な解決だと「女性は学校に行かずに15歳ぐらいで結婚するのを当たり前にしろ」みたいな感じになるのだけど、そんなディストピアが生まれることはまずいので、世界がどう解決させるのかは要注目 tks.icon
先進国においてはいまは少子化が問題になっているけど、途上国においては人口抑制が問題になっていて、不思議な感じ 発展の抑制、さらなる発展
大家族の何が問題か?
平均出生率と国の豊かさの相関関係
→豊かな国は低い人口増加率
→人口増加は国民を貧しくする(by マルサス)
→HIVの流行は出生率を下げ、アフリカの未来の暮らしを楽にする(by アルウィンヤング)
→HIVの流行が出生率を低下させるというヤングの主張は否定されたが、出生率を下げれば豊かになることは多くの人が認めた
人が増える→新しいアイデアを探す人が増える→技術的なブレークスルー(技術進歩)が起こりやすい→人口が多いほうが発展が早い
感想:
ここも重要ですねyuiseki.icon
量と質、両方重要
国土のハードインフラも重要
工場は人がたくさんいればいるほどガンガン生産できるが……
工場を建設し運用するためには、電力、下水道、高速道路、空港が必要
出生率が高いから貧しいのか?貧しいから出生率が高いのか?あるいは別の第3の要因が高い出生率と貧困の両方を引き起こすかもしれない
→60年代の韓国やブラジルの急速な経済成長が出生率の急速な減少を伴う事実でさえもあやふや
貧乏人の生活と選択に注目しなければ、この問題の前進が期待できない
感想:
これは教育水準の高い低いで説明できそう。教育水準高い国(個人じゃないよ)→子供少なくて豊か 低い国(個人じゃないよ)→子供多くて貧しい tks.icon でもこれ、国でも主語が大きすぎるかも。日本の県別データだと当てはまらない
家族は「量と質のトレードオフ」by ノーベル経済学賞ゲーリー・ベッカーの定理
→子どもが多いと子供の質は下がる
→本当にそれは事実か?
→大家族に生まれた子どもは教育をあまり受けない傾向にあるというデータがあるが、例外もある(インドネシア地方部、コートジボワール、ガーナ)
→小さい家族に生まれた子どもの方が実際に多くの教育を受けていることを示す証拠は見つからなかった
→イスラエルの世帯人数調査は家族の人数が多いことによる子どもの教育への不利な影響がまったくないことを示した
→中国で長子が女子であった場合、当該女子は多めの教育を受けた(一人っ子政策の例外で2人目を生んで良い地域)
→バングラデシュマトラブ地方の実験では子供の生存率上昇が出生率変化の結果とする理由はなかった
→3つの調査では量と質の因果関係は存在しなかった
家族の規模で子どもが不利にならないとしたら母親が損をしている可能性
→コロンビアのプロファミリアプログラムに参加し避妊薬を利用した女性の就学率は上がった。
→バングラディシュのプログラムでは、避妊薬をもらった女性は身長、体重が増え、収入も増えた
→避妊薬で家族計画をコントロールできるが、なぜ若い時期の妊娠が発生するのか?
→家族は子作りに関する意思決定をどう行って、その決定を女性は左右できるのか?
感想:
若い妊娠が基本的な問題となっていたような印象を受けた、この後にも出てくるけどsmellman.icon
貧乏人は子作りの意思決定をコントロールするのか?(セックス、制服、金持ちおじさん だれの選択?)
貧乏人が子作りをコントロールできないのは、現代的な避妊法が手に入らないせい
→でも避妊薬の使用率の低さはアクセス不足の現れれはない
→供給ワラー(避妊法アクセスの重要性) vs 需要ワラー(避妊法を提供してもあまり効果ない)
→インドネシアでの調査によると診療所の多い所で低い出生率である一方、出生率の減少は診療所と無関係
→家族計画施設は人々の求められる所で作られるが出生率には直接影響しない
→しかし、バングラのプログラムでは、避妊具や避妊薬の提供だけでなく、女性保健婦が家庭訪問し、避妊がタブーの所で議論したため、家族が望む子供の数を変えた
→コロンビアでも全体的な出生率に影響を与えない
→結果、需要ワラーに勝利宣言 避妊を可能にすれば妊娠出産をコントロールできるが、出生率の減少には貢献しない
感想:
おお、久々にどの問題でも効果があるいい話だ tks.icon
セックス、制服、金持ちおじさん
避妊へのアクセス改善→10代の妊娠を遅らせる→コロンビアで実現
10代の若者に家族計画のアクセスを禁止する必要性は?
→性的欲望の正当性が認められない、性欲をコントロールできない、避妊法を的確に利用できない
→結果として10代の妊娠率は極めて高くなる。
→ケニアでの見当違いな取り組み
→子どもには性行為とコンドームの使用の費用と便益を評価できるほどの責任感も知恵もない
→性的禁欲が解決法
→学校で結婚するまでセックス禁止と教えた
→でも、思春期の子どもはどのような状態でセックスするか注意深く計算
→ABCDカリキュラム(自制、信仰心、コンドーム・・・あるいは死か)、金持ちおじさんプログラム、制服代負担
→教師が新しい性教育カリキュラムの研修を受けていない学校に最初の妊娠を遅らせた効果が現れた
→少女は夫(金持ちおじさん)探しに向かい、政府の効果は帳消し
→若い女性の妊娠は能動的な意思が反映
感想:
ここが一番興味深かったですyuiseki.icon
10代前半に性的判断能力がないとして禁欲的な教育をしても途上国においては逆効果
10代前半でも、正しい情報(高齢な人との性交ほどHIV/AIDS感染リスクが高い)を伝えることで合理的に判断できる 援助交際はとんでもないことに見えるが、当事者にとっては合理的な選択であった だれの選択?
妊娠出産の決定はカップルが下すが肉体的コストは女性が負担
→一方、男は大家族を理想
→女性の発言力、女性の社会的立場にもよる
→ザンビアでの実験では、夫に知られない所で家族計画を使えるようにしたため、望まない妊娠が減った
→妊娠出産には社会宗教的規範の要素もあり、そこから逸脱すると罰を受ける
→共同体が何を適切な行動とみなすかが重要
→女性は共同体の中で学ぶ
→伝統社会の中で社会規範の変化と折り合いをつけることはとても面倒
→貧乏な人々が家族の数をコントロールしているか?
→YES しかし、女性は夫、義母、社会規範からコントロールできない部分がある
→ブラジルのメロドラマからそれは不可能ではない
感想:
ジェンダー論的に興味深かったですねyuiseki.icon
生殖行動は個の意思だけではなく、社会規範による外的圧力がある
一方で、社会規範はドラマのような流行や物語で変えることができる
↑メロドラマは誰の意識を変えたのでしょうか? 男性? 女性? 誰の意識が重要? 興味深い。Koichiro Shiratori.icon
そうかもyuiseki.icon
逆にメロドラマで少子化対策できるかも?
金融資産としての子供
子どもは先物取引
→途上国では、多く産めば子どもが面倒を見る可能性が高い
→豊かな国では社会保障等があり、老後に備える他の手段がある
→あとの章で検討
出生率が下がれば銀行預金が増える?
→中国の例では説明可能 (byアビジットとナンシークアンの調査)
→バングラで避妊手法を提供された村の家族は、そうでない村の家族より財産を多く持っていた
→世帯規模と貯蓄の強い代替関係がある
→子供の数が減ってもその子が健康でよい教育を受けられるわけではないことの説明にもなりそう
→家族は最適な子供の数を決めるだけでなく、その性別構成も選択する
→家庭における女児の扱われ方が男女の相対的な価値にどう左右されるか
→女の乳児に対する差別の仕組みがどうであろうと女児の数は人間生物学の予想よりもずっと少ない
→インド:女性が持つ結婚市場や労働力市場での価値による。村自体で経済成長がみられると男児に投資
→中国:男性が適する作業(果物生産)、女性が適する作業(茶摘み)による男女構成
→伝統的な家族の機能のなかに内包された暴力について経済学者は無視してきた
→殆どの社会では子どもに食物を与え、学校に通わせ、社会に適応させ、より一般的な意味で面倒をみるのは親の善意
感想:
社会保障が薄いから子どもを将来の保障にするというのは日本でもいまだに言われている気がするけど厳しすぎるyuiseki.icon
親世代の「老後をみてくれ」との期待は、口に出さなくても厳然としてある場合もありますね……Koichiro Shiratori.icon
女児が堕胎される、ネグレクトされる、というのも渋すぎる…yuiseki.icon
労働力っていうのがITによって変わってくるとどう変化していくのか気になるところsmellman.icon
アフィブログ?silloi.icon
前章でも、コールセンターの女性雇用の話が出ていたyuiseki.icon
バックオフィスなど、性差に関係なく活躍できる仕事はITで増えるはず
家族
経済学者は簡単なモデルのために家族は一人の人間とはちがうという不都合な真実を無視
→家族を一つの単位としてみる
→このような単純化は誤解を招く。家族内部の力学を無視すると重要な政策的影響が生じる
→家族の意思決定は家族のメンバー間の交渉過程の結果
→ブルキナファソ 全ての投入(家族労働、肥料)が家族全体の収益を最大化するようにはなっていなかった
→男性と女性の工作区画、肥料、労働力が違うため男性の農地に肥料の多くが使われた。、手持ち資源の最良の使い方について合意できておらず、無駄になっている
→コートジボワールでの発見 基本食物のヤムイモは夫が自由に売ったり使ったりできない食物。「汝、新しいナイキの靴のために子供のヤムイモを売るべからず」という基本的な利益を守る社会の決まり事を守る
→家族に食わせるのは女性の責任
→不完全、粗雑、ゆるい契約で家族はまとまっているが、社会的に強制される
→社会規範に頼るルールの問題は、規範の変化は遅いので、ルールが現実と全くあわなくなる危険があり、悲劇的な結果を招いてしまう
→インドネシア結婚した娘は親の面倒をみるものとされていないが、祖父母は孫娘の面倒をみるのが義務と感じている
→政策の正しい方向性としては、家族にとって代わるよりはその活動を補い、時にはその悪用から人々を守ることのよう。
→それを効果的に行うためには、まずは家族の仕組みを正しく理解するのが重要
→社会保障のような他の実現可能なモデルがあればよい
→メキシコの女性にお金を与える公的援助プログラムでは資源を子どもに向けるのにずっと効果がある
→女性のエンパワーメントは家族における女性の伝統的な役割があるから効果がある
→アメリカの老人が社会保険とメディケアのおかげで独立して生きる選択肢を持つことは尊厳と自立心に非常に大切
→最も有効な人口政策は、子だくさんを不要にする
→社会的なセーフティーネットや金融商品の開発により出生率の減少、女児に対する差別の緩和が実現
感想:
ここも興味深かったですねyuiseki.icon
男女平等じゃないと!!!と思っていたけどそんな原理主義とは無関係に家族という関係性はうまいこと成立している
人間をなんらかのすっきりした合理的なモデルに当てはめることはできない
一方で、著者はモデル化をあきらめてはいないのも重要なポイント
そして社会保障が極端な大家族を防げるというのもなるほどとなりましたyuiseki.icon
効率化っていうものを最優先に考えないと変な男女格差を生んでしまうので、ちゃんと計測するっていうのが大事だなと思ったsmellman.icon
感想:
この章になるとますます「他人の考えが当たらない」話になる tks.icon
しょっちゅう出てくる、完全計画経済の亡霊(人間ほっとくとアホばっかりやるから偉い俺様が全部計画したほうがいい)にどう対応していくかtks.icon 「誤りの排除を可能にする政治体制」としての民主主義の戦い by ポパーsilloi.icon 家族や生殖やジェンダーといったテーマは日本でもいまだに問題になっているので読んでいて渋い章でした…yuiseki.icon 僕もう6年もずっと外国にいるから、ジェンダーの話で人とまったく話が合わなくなっている tks.icon
少子高齢化の国にどんな示唆があるか? 誰が子供を持つ決定をしている? そこを理解できているのだろうか?Koichiro Shiratori.icon